歴史を積んだ赤煉瓦

旧下関英国領事館

現存する最古の領事館

領事館として建設された建物として現存している最古の建造物という旧下関英国領事館。激動する明治時代、外交・経済・交通の重要な拠点として下関に白羽の矢が当たったのである。  
1906年(明治39)1月、着工、8月上棟。設計者は英国政府工務局上海事務所建築技師長のウィリアム・コーワン。
煉瓦造2階建、延床面積170.6平方メートル、桟瓦葺。外観は赤煉瓦を基調とし、建物正面の連続アーチや列柱を持つベランダと、段々状の妻壁から伸びるなんとも煙突がユニーク。エントランス上に古写真から復元されたというライオンと一角獣の意匠が見られるが、英王室由来であろうか、興味深い。

外観

外観   

エントランス

外観正面    

煉瓦塀のぐるり

敷地の中央西寄りに本館、その北側にL形平面の附属屋が建っている。本館の南と東には敷地の境や、本館と附属屋の間に、煉瓦塀が設けられている。
煉瓦塀に黒い瓦の対比が、明治という時代を如実に表している。

煉瓦塀

煉瓦塀

1941年(昭和16年)太平洋戦争の開戦により下関領事館は閉鎖。1958年からの10年間は下関警察署唐戸派出所として使用。その後、下関考古館として使用され、1987年(昭和62年)下関指定有形文化財に指定され、1999年(平成11年)重要文化財に指定された。
その後2008年(平成20年)より保存修復のため休館していたが、2014年(平成26年)7月に再開館。展示室や喫茶室、ギャラリーなどとして公開されており、市民の憩いの場として親しまれている。

マントルピース

マントルピース  

天井 天井 外観遠景 外観遠景